PS3はゲームをあきらめてSTBに舵を切った
2008年06月26日 inuro

本日1730時からソニーグループの向こう3年の中期経営方針説明会が開催されますが、それに先立って資料が公開されてます。
https://www.release.tdnet.info/inbs/461a0e70_20080626.pdf
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/info/strategy/pdf/presen_01.pdf
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/info/strategy/pdf/presen_02.pdf
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/info/strategy/pdf/presen_03.pdf

野次馬的な興味は「PS3はどうするんでしょ」というところに集約されるわけですが、ゲーム事業について資料から抜粋すると

  1. ネットワークプラットフォーム上でのコンテンツやサービスの更なる充実
  2. ブルーレイディスクの強みを生かし、PS3の普及をさらに拡大
  3. PS3の普及を加速する魅力的なゲームソフトのリリース
  4. PS3コスト削減のための施策をさらに推進
とのことです。

これが何を意味しているかというと、

  • PS3はネット経由のコンテンツ再生のためのセットトップボックス+ローカルコンテンツ再生のためのBDプレイヤーです
  • これまではSTBといってもロクなコンテンツが無くて使えたものではありませんでしたが、コンテンツ持ちのソニーとして映画などタイトに供給していきますよ
  • ほらね、他では得られない体験です。とても魅力的でしょう。
  • ”おまけに”ゲームも遊べちゃうんです
つまりこういうことなわけです。
ここに至るまでいろいろ試行錯誤してましたが、ようやく明確に「ゲーム機としてのPS3」から「主としてゲーム機ではないPS3」へ舵を取った瞬間です。

つまりソニーの提供する映画等のコンテンツストレージへのアクセスインタフェースを最大の差別化要因として売ろうってことです。ゲーム機としてのビジネスロジックはあきらめて、コンテンツ+専用端末屋として頑張りますってことですね。iTunes+iPodのときにさんざん「ソニーはなぜやらないんだ」と言われたモデルそのまんまです。つまり魅力あるモデルなことは間違いないです。

しかし問題はWiiです。ゲームの面ではマーケットを作り出されて圧倒的にリードされてしまったことは周知の事実ですが、実はSTBとしても既に一歩も二歩も先を行かれてます。何かというと「STBはいいが具体的にはどうやってネットに繋ぐのさ」というラスト1フィートの部分で、任天堂はここをNTT東西とタッグを組んで「フレッツ光×Wii」という組み合わせで強烈なキャンペーンを今まさに展開中です。STB導入の上で最大のネックになるのがこの点だ、と踏んでいるわけです。

ここをがっちり押さえられてしまうと、STBとしても「HD映像の配信はPS3が最強!」という差別化要因で他の不利な要素を全て払底しなければならないハメになります。はたして人はHD映像にそこまで訴求力を感じてくれるのか?自分個人の話をすれば、2万円くらいでHD映画オンデマンドのボックスであれば欲しいなあ、とは思いますが。

まあともあれ、「中期計画とかのんびりした話でいいんですかねそれは」という辺りがとても心配です。一回後手を踏んだら二倍くらいの速度で頑張らないと厳しいでしょうし。ましてこの場合何回後手を踏んだことやら。


今回の要点を一言でまとめると
PS3はVOD(Video On Demand)におけるファミコンになれるか
ということになりますが、さてお手並みの程はいかに。

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